TAKU KO / ZE HU / 胡 澤

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1997年生まれ  中国・上海出身

BAS First Class Honours 2017 - 2021
School of Creative Media, City University of Hong Kong

Research Student 2022 - 2023
多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース

Master 2023 - 2025
多摩美術大学大学院情報デザイン学科サウンド&メディア芸術研究グループ
Projects are listed in chronological order.

Midnight Mood
2021/05
Solo Project
 花は一体どんな気持ちを持っているのか?その気持ちは、花が背負っている花言葉とは違うものかもしれない。花の精神世界は我々にとって不可知のものである。我々がわかる・感じとれるのは、彼らの外観・匂い・動きしかない。この作品は、花の輪郭と揺らぎから花の精神を推測する試みである。
 マウスの操作で色のグラデーションが制御できる。
Features
Processing, Mouse Interaction

Facial Beam
2021/05
Solo Project 
 コロナ時期の隔離生活、外部とのコネクションはすべてネット上で行った。その頃、長い間誰とも話してないことで言語能力が弱くなり、自分の五感は常に電波を通じで情報を受け取ったり、発送したりと感じた。この作品は、その経験の表現となる。 
 この作品では、コンピュータービジョンのパッケージが使用されている。その中の機能 (CASCADE_EYE) は本来両目だけを認識するはずだが、それは旧式のパッケージであるため、正確度が足りず、実際の状況では鼻と口も 「目」 として認識される。私はこの欠点を利用して、この作品を制作した。
Features
Processing, 0penCV

Parallel Dream
2021/05 
Group Project 
 - Concept, Visual programming
 無機質なものも夢を見るだろうか?
 この作品は、磁性流体を使ったサウンド・インスタレーションである。磁性流体とは、磁力に反応してスパイク状に変化する、まるで生き物のようなものである。私たちは、その磁性流体の様子をプログラムで解析し、得たデータを音と映像に変換した。また、音のデータが磁性流体の下にある磁石を動かし、磁性流体の形状を変化させる。このように、フィードバックループが成立し、音と映像が流れ続ける。
Features
MaxMSP, CV.jit, Arduino, Ferrofluid

Wasteland Encounter
2021/06
Graduation Thesis
 メインストリームの人生から脱落し、自己否定感が極まった人はどうやって生きていけばいいのか?
  この作品は、マイケル・トンプソンのゴミ論 (Rubbish Theory) 、ジェーン・ベネットの生気物質論 (Vibrant Matter)、及びジョルジョ・アガンベンの理論を参考し、自分価値の再帰をテーマとした映像作品である。
 主人公は死後、生前に住んでいた、まるでゴミ屋敷のような部屋に戻った。ゴミとの出会いが、彼のインスピレーションになり、彼はゴミを聖なる器とし、一面的な価値観の世界線から自分を解放する。
  自分の世界観と 「真」 の世界との間には、まだ知られていない可能性が存在している。モノがゴミになるということは、そのモノの経済的寿命と消費価値が尽きると意味するが、そのモノ自体は、記号論的抑圧から解放される。ゴミは、 「役に立たなければならない」 という呪縛から解放され、無限の 「可能性」 を持つ状態、あるいは原点に戻れる。つまり、ゴミになることは、自分の人生を見直し、やり直すチャンスである。
 たとえメインストリームの評価システムから逸脱しても、自分の最適なルートにはいつか辿り着けるはず。

Features
TouchDesigner, MaxMSP, FinalCut, RunwayML


がん・ガン・GAN
2022/01
Solo Project

 人類の文明は、火薬が出来上げた瞬間で加速したかもしれない。人は火薬の誕生によって、かつてない破壊力を手に入れ、傷害・征服・破壊をより効率的に実行できるようになった。 一方、人の体の中には、加速する時代に呼応するように、癌が広がり始めた。
 私は、火器暴力と癌を、現代のカタストロフィーの二つの側面として捉える。この作品において、私はまず癌の画像と銃や戦争のイメージをデータベース化し、そしてそのデータベースを敵対的生成ネットワーク (GAN) のトレーニングデータとして利用した。この作品で生成したのは、人間性の暗黒面を象徴する癌と暴力のハイブリッドである。
Features
RunwayML

Cityscape Postcards
2022/03
Solo Project
 海外にいる友達に、自分が見てきた東京の風景と、自分が感じだ都市の脈動と心の鼓動を伝えるために、国土交通省がリリースしたPLATEAU都市モデルデータを利用し、スタイル化した都市の風景を制作した。Features
TouchDesigner, PLATEAU

Collective Correctness
2022/04
Solo Project
 この作品は中国のSNSにおけるポピュリズムをテーマとしたシリーズである。この作品で扱ったアルゴリズムは、Lシステムという、形式文法で実行ルールを記述して再帰的構造を生成するものである。通常は植物のモデル生成に使われるが、この作品では漢字の翻訳 (transcode) の目的の上で使用される。
 私は四つのイデオロギー的なキーワードを選び、その漢字をまずASCIIコードに変換し、そしてLシステムの構文になれるまで、他の制御コード表で仲介翻訳した。得たLシステムは構造体を生成する。その構造体に、私はワイヤフレームなどのジオメトリー変換を加えて、ビジュアル表現を作り上げた。
 映像のパートでは、生成音楽が加えてる。選ばれたキーワードが関連する 「いいね」 などのデータが、その生成プログラムのデータ源となる。
Features
TouchDesigner, MaxMSP, Web crawler tool


vaLue-system
2022/09
Solo Project
 この作品の出発点は、中国におけるプロパガンダの氾濫である。この作品は、引き続きLシステムを使用していたが、この度はその文法的再帰性に着目し、自己書き換えによる構造体の成長が表現の手段となる。構造体は、特定の実行ルールとパラメーターで成長する一方、異変し始める。徐々に、元の姿が見えにくくなり、異様な形になる。この作品はこの手法で、繰り返される言葉が意味を失い、怪物になる現象を表現した。  Features
Houdini, Redshift Render, 3D printing


ばらばらバラン
2022/12
Solo Project
 我々はもうお互いを我慢できないだろうか?他者のない世界を、我々は願えているのだろうか?ばらばらバランはその 「純粋」 の世界を叶う道具である。従来の民主社会では、人は人に投票して自分の望む世界を作らせる。ばらばらバランを使う人は、特定の人や政党に投票するのではなく、自分の望む物語を紡ぎ出すマシンに「投票 = charge」 することになる。
 今日の世界は複雑な現実を消化しきれなくなっているよう。高速なインターネットは、ほんの数秒の間に言説を拡散させ、人々の間の分断を加速させる一方、エコーチェンバー効果によって、人々はより純粋な自分の意見空間へと誘導されているように見える。このような状況下で、人々の間に求心力を求めることは可能なのだろうか。人と人のギャップを埋める方法はあるのだろうか。
 本作品は、この問いの反対側から出発し、人々を結びつける可能性を一切放棄している。あるいは、人と人とが完全に分離した世界観を想像する。バランを使って、人々は自分の望む物語に合ったマシンを選び、GPU枠を課金することで、自分にとって最も理想的な世界観の中で生きることができる。もはやマジョリティとマイノリティの区別はなく、異類も存在しない。しかし問題は、そのような生き方が本当に望ましいのか、他者がないときに人生や政治は成り立つのか、ということだ。
Features
Stable Diffusion, Houdini, TouchDesigner, RunwayML

Imagined Topology
2023/01
Solo Project 

 この作品はAIGC初期におけるImage-to-3Dの実験である。Stable Diffusionから生成された画像を最初にTouchDesignerでプロセスし、そしてまたStable Diffusionにインプットして奥行きデータを取得する。最後に、Houdiniで画像を3D化する。
    Reference: https://entagma.com/webui-houdini-tutorial-generating-and-using-ai-depth-maps/
Features
Stable Diffusion, Houdini, TouchDesigner

Homeland Lullaby
2023/9 ~
Solo Project 
 人の歴史はいかに表現すればいいのか?それに、 「歴史」 という本に収録されなかった他の時間線・他の社会の形態・他の可能性はどのように捉えばいいのか?歴史は所詮進歩主義者の概念なのか?
 この作品は私の研究、ボイド・アルゴリズムによるメタ的なナラティブ表現の第一作になる。ボイドは空を飛ぶものたちであり、群れの形成をシミュレートするアルゴリズムのことでも意味する。通常は鳥や魚の表現に使われるが、この作品では人のメタファーとして利用される。ボイドたちの運動と遷移が社会の進行を意味し、固定化された彼らの軌跡が、歴史そのものを指す。前歴史の島で陳列される彫刻の群は、人の文明の(ありうる)姿である。
Features
Houdini, Unreal Engine 5, 3D printing

ふれる
2023/10
Group Project
 - Footage Generation, Editting, Sound track
 この作品は、触れて鑑賞する展示会のためのイントロダクションムービーである。展示されるいろんな作品と、それらに対応する触れる仕方が、イメージのインスピレーションとなる。触れることで、手と対象の境界が溶け、感覚がゆえに拡張する。

Features
RunwayML Gen-2

Bio-Electrical-Watchstrap
2023/11
Group Project
 - Concept, Modelling, Rendering
 XiaomiSmartBand8 ストラップデザインアワード特別招待作品。
 スマートウォッチは生体情報をリアルタイムで計測できるが、そのアクセサリーのストラップは未だに機能を持っていない。そこから、私たちのデザインの出発点は、ウォッチのストラップも情報の受信や表示のインターフェースとなることである。
 ストラップの形態は固定される必要がないと、私たちは思う。私たちは 「生物化された」 ストラップをコアの概念とし、ユーザーの生体電気信号がストラップへの刺激に変換することで、ストラップの質感・形状が変化し、ユーザーの内面状態を直感的に反映させる。
Features
Houdini, Karma Render

Work SelectionUpdated on  2024/04/15